言葉が喉に詰まる 優しさを堰き止めるように
指先が虚空を手繰る オリオンの砂時計を求めるように
顔を合わせることもなく 視線は常に何処かへ向けて
冬は ゆっくりと冷たくなってゆく
巡る季節を理由(わけ)にして
自然に終わりそうな半分の糸は
熱を帯びた愁いだけを残して消えかけていた
前に向きたがる踵(かかと)
戻れるものなら 戻りたい
手の平だってそう
握れるものなら 握りたい
一人で迎える誕生日の夜に
残業で戻らないはずの彼が帰宅した
「おめでとう」と 大きなぬいぐるみを抱えながら
あの時冷たく思った雪は
誕生日を忘れたように隠した 偽りの雪
言葉が嗚咽に変わる 優しさを堰き止めぬように
指先が夜空を掃(はら)う 昨日の私を見送るように
顔を合わさぬことはなく 視線は常に貴方を見つめ
冬は ゆっくりと解けて消えてゆく
指先が虚空を手繰る オリオンの砂時計を求めるように
顔を合わせることもなく 視線は常に何処かへ向けて
冬は ゆっくりと冷たくなってゆく
巡る季節を理由(わけ)にして
自然に終わりそうな半分の糸は
熱を帯びた愁いだけを残して消えかけていた
前に向きたがる踵(かかと)
戻れるものなら 戻りたい
手の平だってそう
握れるものなら 握りたい
一人で迎える誕生日の夜に
残業で戻らないはずの彼が帰宅した
「おめでとう」と 大きなぬいぐるみを抱えながら
あの時冷たく思った雪は
誕生日を忘れたように隠した 偽りの雪
言葉が嗚咽に変わる 優しさを堰き止めぬように
指先が夜空を掃(はら)う 昨日の私を見送るように
顔を合わさぬことはなく 視線は常に貴方を見つめ
冬は ゆっくりと解けて消えてゆく
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by aoi_samurai
| 2011-02-21 03:55
| Poem